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(16) 井坂清隆 詰パラ1982-1

44角、33桂合、12飛、同飛、33角成、22金合、12と、同玉、24桂、13玉、11飛、12桂合、同飛成、同金、同桂成、同玉、23金、21玉、13桂、同角、32金、12玉、24桂、同角、22馬まで25手簡素形の中編を見ると、つい目に留まってしまう。何をもって「名作」と呼ぶのかは人それぞれだろうが、「中編名作選」には、この種の小品も収録されるに違いない。狭いところで3度の限定合が楽しめ、最後は清涼詰。箱庭のような趣きがあり、眺めてい...

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(15) 上谷直希 詰パラ2017-3

45銀、64玉、67香、65銀合、75銀、55玉、66銀、同銀、75龍、同銀、56香まで11手新作と類作は紙一重である。本作は3手目あたりからは前例のある手順で、芹田修氏に決定版がある。私も37年前に似たような手順で発表している。正直、投稿するには勇気がいる。作者も迷ったようだ。既成の手順を含んでいても、独自の創意工夫で新作に仕上げるーーこれも作家の手腕。作者の主張は盤面5枚、とりわけ46角の配置にある。試行錯誤を重ねて46...

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(14) 小林尚樹 詰パラ2016-8

72桂成、同玉、73歩、62玉、63歩、同成銀、72歩成、同玉、84桂、61玉、62歩、同成銀、73桂、同成銀、64香、同成銀、(途中図)83馬、同飛、63香、同飛、53桂、62玉、72金、51玉、61金、同飛、同桂成、同玉、53王、71玉、61角成、同玉、62飛、51玉、52飛成まで35手2016年の中編ベストは惜しくも看寿賞を逃したこの作品。大量の持駒を駆使して局面を少しずつ変化させていく技法は小林氏の十八番である。この作品では匠の技が冴えに冴...

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(13)武島広秋 詰パラ2016-5

71角、34玉、43飛成、24玉、36桂、同香、23と、同馬、25銀、同桂、35角成、同玉、44龍まで13手2016年の看寿賞が発表された。短編は上谷直希氏作を予想していたが、私が選ぶベスト作品はこれである。この作品が一般推薦でも選考委員の一次投票でも選ばれていないのを見て、ゾクゾクっとした。「みんな見る目がない」などと言うつもりは毛頭ない。自分が選んだベスト作品がかすりもしなかったことに快感を覚えたのである。詰将棋の評...

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(12) 行き詰まり 詰パラ1989-3 

「新たなる殺意」72香成、97龍、73龍まで3手。初手73香成には86歩合が妙防で、以下同角、54玉、56龍、98龍で詰まない。解答者183人中、半数を超える98人がこの罠に落ちてしまった、伝説の3手詰である。今年の5月、岡山の会合で作者と初めてお会いした。早速、この作品の話題になったのだが、作者から耳を疑う衝撃的な真実を打ち明けられる。「これは今日初めて言うんですが、実は......私も偽作意に引っかかってまして。最初の作意...

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